理想的な医院の開業形態
医療業界におきましても、お医者さんの増加、医療費負担の増大、診療報酬の減額、人口の減少傾向などその開業における厳しさが年々増してきております。今の時代に開業し、今後、立派に医院経営をする上で、理想的だといえる開業形態についてご理解していただきたいと思います。
1)ある内科医の先生の相談
先日、ある内科医の先生が開業について相談に来ました。当初は、開業資金7,000万円〜8,000万円です。立地は、埼玉県であれば良いということ。ビル診療でも1戸建てでもどちらでも良いということでした。
埼玉県に当事務所が理想とする開業立地・形態がありましたので、ご紹介しました。そして数日して、帰ってきたお返事が大変良い物件ですね。しかし、親と相談したところ購入した方が後で、財産にもなるし、良いということになり急きょ購入物件で開業したい旨の連絡がありました。
私の紹介した物件は、このページの最後のほうでご紹介している物件です。土地138坪に建物40坪を新たに作り、保証金と内装で2,000万円です。建物は、毎月40万円で借りることになります。私は、この開業形態が理想的だと思ったのですが、先生は、総額8,000万円くらいの物件を探しているようです。
総額8,000万円だと、土地 50坪3,000万円(50坪×60万円)建物3,200万円(80万円×40坪)総額土地建物で6,200万円位でしょうか。それに診療機器等で1,800万円として8,000万円位の開業はできそうです。
しかし、大きな問題点が存在します。
一つは、場所の問題です。坪60万円で本当にいい物件があるでしょうか?もう一つ50坪の土地と138坪の土地ではどちらが患者さんに認知されやすいでしょうか?50坪で駐車場はどうするのでしょうか?
もう一つが、借金は医院経営の利益で返済するということになります。土地部分は減価償却できないため、資金不足になってしまいます。また、借金で購入した土地では当然担保価値などありません。医院がうまく行かない場合はどうするのでしょうか?
開業に携わっている者からすれば、過去の成功事例は、現在では当てはまらないことを知らせたいのですが・・・、医院経営も事業です。何も成功していないうちから、リスクを犯して土地建物を購入する必要があるのでしょうか?成功してから購入しても遅くはないと思うのですがいかがでしょうか?
2)購入50坪での開業と賃貸138坪での開業比較
<前提条件>
3,000万円(50坪)で、開業立地が見つかったと仮定します。
全て借入金で購入。比較をするため診療収入も同じ6,000万円とします。その他の条件は同じとします。
| 開業時の初期投資の内容 |
|
50坪購入開業 |
138坪賃貸の開業 |
| 建 物 |
3,200万円 |
1,600万円 |
| 土 地 |
3,000万円 |
0 |
| 保証金 |
0 |
400万円 |
| 投資総額 |
6,200万円 |
2,000万円 |
| 借入金(10年返済) |
620万円/年 |
200万円/年 |
| 支払利息(3%) |
186万円/年 |
60万円/年 |
. (単位:千円)
| 事業損益・収支計算 |
|
50坪購入開業 |
138坪賃貸の開業 |
| 診療収入 |
60,000 |
60,000 |
| 薬品等仕入 |
10,200 |
10,200 |
| 粗利益 |
49,800 |
49,800 |
| その他経費 |
20,000 |
20,000 |
| 減価償却費 |
1,900 |
950 |
| 家賃 |
0 |
4,800 |
| 支払利息(3%) |
1,860 |
600 |
| 経費合計 |
23,760 |
26,350 |
| 税引き前利益 |
26,040 |
23,450 |
| 所得税・住民税 |
10,220 |
8,925 |
| 税引き後利益 |
15,820 |
14,525 |
| 借入元金返済 |
6,200 |
2,000 |
| 実際手取額 |
9,620 |
12,525 |
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3)理想的な開業とは何でしょうか?
今では、どこで開業しても一緒ということはありません。開業する場所と初期投資が非常に大事になります。以前のように土地を購入すればその土地が値上がりし、財産となり、それを担保にまた土地を購入するというパターンはなくなりました。 新規の開業でリスクを犯すのはあまり得策ではありません。開業が成功してから投資をすればよいのではないでしょうか?
借りていれば、万一うまくいかないときには、被害が最小限で済みます。
これからは、良い立地で少ない投資で事業を行い、その事業で成功したら、次に投資するという考え方が一番良いと思います。
4)開業物件の診断及びご相談
当事務所で、先生方が開業したい物件について、その善し悪しのご相談をお受けします。何度も
言いますように、開業は最初が肝心です。開業するお医者様、是非、ご連絡下さい。
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